2020年2月12日
今日、企業人の多くが意欲的に楽しくかつ充実した生活を送っているようには見えないと報道される。「将来に明るい希望が持てない」、「何となく仕事がマンネリ化し面白くない」、「充実感を感じる場面が少ない」、「毎日多忙すぎて考える暇もなく過ぎていく、気がつけば時間ばかりが経過している」無気力感に近い感情が湧いてくる・・・・・一体何故なのだろうか? 自己効力感という表現を耳にしたことがある方は多いだろう。こうした無気力感は自己効力感の欠如によって説明されると考えるのが王道である。 無力感に陥ることを防ぐのは大して難しいわけではない。そのための企業・組織条件を充足させることは、経営者の十分手に届く範囲である。しかし、多くの企業組織では、どうみても、従業員が自己効力感を伸ばしていくようにはみえない。 自己効力感を伸ばすには、従業員の誰もが意味のある熟達の機会を持てることが必要である。各自が自発的にかつ持続的に取り組める課題をみつけることができるばかりではなく、そこで経験した熟達が、知的創造の楽しみ、他者に貢献できるという喜び、自己統合に伴う満足に繋がることが理想である。さらに、熟達に伴う内的満足に重点を置き、外的な成功や失敗に拘らなくても、自分らしいキャリアを構築できるようにしなければならない。 経営層やマネジメント層は従業員の自己効力感について、様々な観点から再検討する必要があるのではないだろうか。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長
1996年早稲田大学卒 2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉 1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。 その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。 現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長 ■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 ■2級キャリアコンサルティング技能士 ■産業カウンセラー ■大学キャリアコンサルタント ■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)