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2020年4月13日

コロナウイルスが契機!テレワークによるリストラ予備軍の炙り出し

コロナウイルス蔓延により否が応でも働き方改革が進んでいます。特に顕著なのが在宅勤務やテレワークです。テレワークの導入企業増加は、コロナウイルス蔓延の早期沈静化だけではなく、ムダで非効率な業務、低生産性人材を炙り出し、組織内の業務を根本からリ・デザインすることが期待されています。一方で、テレワーク導入により不都合を感じている人材も存在します。

◆Zoomによる社内ミーティングに声がかからず、 PCステータスは常に「待機中」のままのAさん

今回テレワークを体験した多くのビジネスパーソンは既に気づいています。実は会社でなくてもできる仕事はたくさんあり、会社に来ることが目的化し、社内では仕事をしていない人が多数存在するということに。

某人材会社経営幹部は、「コロナを契機にテレワークを利用したリストラが加速する」と予言しています。

テレワークはIOTを活用し、仕事を進めることです。勤怠管理だけでなく、働きぶりもより精緻になります。アナログな「追い出し部屋」などから進化した、「新型リストラ」がいよいよ始まるのかも知れません。

某大手商社の若手社員は、あることに気づいてしまいました。テレワーク導入によりテレビ会議が増える中、これまで社内での打ち合わせには参加していたのに、テレビ会議になると呼ばれなくなった人たちがいることを。「怖いよな。本当は必要なかったと切り捨てられたんだもの」と、周囲とささやき合ったようです。

気心の知れた仲間内だけの会議は、とかく緊張感がなく、ダラダラしやすいものです。これがテレビ会議になると、余計な会話が一切そぎ落とされ、参加メンバーには建設的な発言が求められるようになります。

Face to Faceの会議であれば、座っているだけでも存在は目に入ります。それがテレビ会議になると、全く発言しない人は存在が認識されにくくなります。つまり、会議に参加したという記録が残りません。揚げ句、発言しないのであれば、存在する価値がないと評価され、次回から呼ばれなくなるということです。

従来のリストラ予備軍(社内失業者)は、社内会議に呼ばれなくなると自席に根を張り、ソリティア(ウィンドウズの中に入っているトランプゲーム)の腕ばかり磨いていました。こうしたリストラ予備軍人材は、本人にも周囲にも分かりやすい環境でした。

これに対し、新たなリストラ予備軍は、いつの間にかテレビ会議に呼ばれなくなるなど、周囲も気づきにくいかたちで顕れます。

「アベってる」。この言葉はコンサルティング業界の隠語で「available(待機中)」をもじったものです。テレワーク導入などが進む組織はITツールで各社員の予定表を共有するようになり、「暇な人と忙しい人が一目瞭然になります。」

ステータスが常に「待機中」なのは、誰からもプロジェクトに招集されず、暇を持て余した「アベってる人」。つまり、リストラ予備軍というサインです。

仕事が与えられないリストラ予備軍は、テレワークでひたすらeラーニング。「在宅勤務」が新手の「追い出し部屋」と化すのです。

人事担当者の皆さんは、コロナウイルスという外部環境変化の先に待ち受けるグローバル規模での新たな人材獲得・選別競争(タレントマネジメント)に今から準備をしておかなければなりません。
組織人事コンサルティング部長 岡田 英之

組織人事コンサルティング部長

岡田 英之

早稲田大学卒
東京都立大学大学院  社会科学研究科  経営学専攻  経営学修士(MBA)
国家資格  キャリアコンサルティング技能士
産業カウンセラー