2021年10月7日
人事部の仕事は、日常のこばごました業務であったり、所謂「ひとごと」であったりするというイメージを持っている方々は、人事部の仕事は戦略からは遠いと思っているのかも知れません。しかし、ズバリ「人事に戦略は必要です」。もし、戦う時に、自分が使える資源が無限にあったらどうしますか?答えは簡単です。勝つまで資源を投入し続ける。そうすれば、いつか勝てます。つまり戦略は不要です。しかし、実際には資源は有限です。だから戦略が必要になるのです。限りある資源をどのように最適配分するかを慎重かつ大胆に考えなければならない。こちらに資源を集中投下して、あちらはゼロにする。こちらを7にしてあちらを3にする。このような大所高所からの配分や采配を行うのが戦略的意思決定です。 何を選び、何を選ばないか。どちらに重点を置いてどこに敢えて目をつむるか。どれを先にしてどれを後回しにするか。戦略は選択であり、意思決定です。 一方で、GEの会長であったジャック・ウェルチはこう言いました。 「正しい仕事に対して正しい適材をあてはめることは、戦略を策定することよりもっとだ大事だ」 人事には戦略が必要なのは間違いないですが、そもそも人事とは戦略そのものなのです。 またこうも言っています。 「正しい人材を選び、彼らが自分の翼を思い切り広げる機会を与えることができれば、あとはほとんど管理などしなくてもいい」 管理することが戦略の一環だと勘違いしている企業(組織)も多いです。 皆さんの企業(組織)では、人事部門に何を期待しますか?そして戦略とは何ですか?日々のオペレーション業務に没頭し過ぎてしまい、中長期の視点で戦略を構想(描く)時間が確保できないのだとしたら、それは将来に大きな負の遺産を残してしまうことになるかも知れません。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長
1996年早稲田大学卒 2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉 1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。 その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。 現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長 ■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 ■2級キャリアコンサルティング技能士 ■産業カウンセラー ■大学キャリアコンサルタント ■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)