コラム一覧

2025年3月21日

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の本質は、LV(ローカルバリュー)に気づくこと

 よく耳にする言葉で、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)があります。組織を運営していく際に欠かせない要素だと言われます。ビジョンは、将来の理想の姿であり、ミッションは、その実現のために各人がやるべきことです。

 ここまでは極めてわかりやすいですが、バリューとは何か?と問われると意外と答えに窮するかも知れません。組織共通の行動指針とか守るべき規則、大切にしている価値観などと言われますが、今ひとつ腹落ちしません。規則やルールなら就業規則とどこか違うのか?価値観なら社訓や社是とどこが違うのか?という具合にモヤモヤする部分はありますが、昨今の企業不祥事の多さを見ているとMVVやMVV的なものは重要であることに気がつきます。

 外資系企業の特徴のひとつとして、組織メンバーの多様性からバリュー無くして組織の一体感を醸成することは難しく、経営の最優先事項として取り組む会社も多く目にします。

 日系企業では、終身雇用、年功序列、新卒一括による同質性の高い集団なので、殊更バリューを声高に叫ばなくても良い環境がこれまででした。

 日系企業では、組織全体に浸透すべきバリューよりも、各職場単位に存在するバリュー、謂わば、LV(ローカルバリュー)の方が重視されてきました。過去の成功体験や代々引き継がれてきた慣習や因習。その職場でしか通用しない独特の言葉遣いなどがLV(ローカルバリュー)の正体です。これが原因で組織不祥事に繋がるケースも最近では増えています。令和時代となっては悪しき慣習にもなりかねません。

 職場でのコミュニケーションには本音と建て前、ダブルスタンダード、阿吽の呼吸、タテ社会、空気を読むなど独特のLV(ローカルバリュー)に支配されています。ここに踏み込まない限り、いくら本社や本部で全社共通のバリューの重要性を叫んだところで絵に描いた餅に終わってしまいます。

 LV(ローカルバリュー)を変えようとするとき、過去の否定ではなく、社会の変化で時代に合わなくなったと考えれば、少しは前向きに行動できるかもしれません。この時、組織トップのリーダーシップが必要であることは散々言われています。ですが、リーダーシップを発揮する前に、小さな職場単位に無数に存在するLV(ローカルバリュー)の存在に気づかなければ、組織トップの精力的な掛け声や行動も空虚なものとなってしまいます。その意味では、まず我が社に存在するLV(ローカルバリュー)の実態把握からはじてみることが大切かも知れません。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)