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2025年6月18日

中堅・中小企業人事の世界(ひとり人事)

 皆さんは、“ひとり人事”という言葉を耳にしたことがありますか?Google検索してみると、約17万件ヒットします。ボッチ人事と表現されることもあります。

 ひとり人事とは何でしょうか。私は、組織内でひとりか2~3名の人数で、すべての人事関連業務をまわす担当者と定義します。

 通常、所謂大企業での人事担当は、10数名以上で構成され、「採用」「人材育成」「人事評価」「労務」など多岐にわたる業務を分担します。一方で、中堅・中小企業、創業間もないスタートアップ企業などの比較的規模の小さな組織では、人事担当者がひとりか、数名が担当している場合が結構多いです。

 複数社の人事部で働いてきた私自身の経験を振り返ってみても、ひとり、あるいはごく少数で人事を担当していた経験が大半です。皆さんの会社や組織には人事担当者は何人いますか。

 人事の適正人数の目安は、「社員数100人に対してひとり」といわれています。社員が500人いれば人事担当者は5人、 1000人規模なら、人事担当者は10人が相場です。実際には、100人の企業ですべての人事・総務業務をひとり、あるいは数人で担当するのは、容易ではありません。たくさんの性質の異なる仕事が集まる苦労があるからです。そんな状況下で、日々、人事担当者は改善や工夫を積み重ねているのです。

 ひとり人事担当者はどのような組織に存在しているのでしょう。私は、次の3タイプに多く存在すると説明しています。

■Aタイプ──大企業(親会社)の子会社・関係会社・グループ企業
■Bタイプ──外資系企業の中堅中小規模支店、日本法人
■Cタイプ──ファミリー(オーナー系)企業

 人事は、重要な経営資源である「人材」を管理する部署であり、人事担当者は、人材採用、人材育成、人事評価、労務管理など、「人と組織の活性化により事業を成長させる役割を担う人」である。と定義づけるかもしれませんね。もちろん、模範となる答えだと思いますが、私はこうした質問をされたときには、今までの経験則から一歩進めた理解をしています。

 人事は、重要な経営資源である「人材」を管理する部署であり、プロデューサー(Producer)・ディレクター(Director)・フィクサー(Fixer)として、「社員がより快適に、仕事に打ち込める環境づくりをする役割の人」であるという理解です。

 中堅・中小企業の人事担当者=ひとり人事について、理解を深めたい、実態を知りたいという皆さん、是非、以下著書をご参考にしてみてください。

著書:『人事1年目の教科書 ~ひとり人事から中堅企業まで使える~』

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経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において30年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)