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2025年10月24日

配属初日に知りたい実務の基礎をサクッと押さえる

 拙著『ひとり人事から中堅企業まで使える 人事1年目の教科書』では、人事部署に新たに配属になった皆さんに向け、実務の基礎をサクッと押さえるポイントをお話しています。

今回第1回目として、人材配置に関するポイントを整理したいと思います。

■人材配置とは:一人ひとりの能力、スキル、経験に基づいて、最適な組織(部署)や職務にアサイン(任命)することです。組織全体の業務・成果、生産性向上はもちろん、前回お話した、「幸せな社員をたくさん作ること」にも大きく貢献します。

■どんなときに必要:人材配置は、採用(新卒・中途(キャリア))、異動(配置転換、ジョブローテーション)、昇降格や抜擢が発生したときに必要な知識です。外部スタッフ(派遣、業務委託、フリーランス)やインターンシップの受け入れ時も同様です。

■人材配置で期待できる効果:
 <企業や組織にとって>
①業績、成果、生産性向上 ②離職抑止(リテンション) ③組織活性化 ④人員調整(適正人員化)
 <働く個人にとって>
①キャリアアップや成長機会 ②モチベーションや満足度向上とマンネリの解消 ③社内ネットワークの獲得 ④視野の拡大(あらためて自組織の良さを見つめ直す機会)

■「キーワードで押さえる人材配置」

①配属ガチャ:入社した企業で希望した部署や勤務地とは異なる場所に配属されること

②人員配置(配属)計画:年度目標の達成のために、部署ごとに必要な人員、人件費予算、配属先、時期(タイミング)などを具体的に計画すること

③組 織 図:組織の内部構造をわかりやすく図で示したもの
■組織の指揮命令系統などを可視化
■社員の名前や顔写真を掲載(本人許可の上)しているケースもあります。

④適材適所と適所適材:適材適所配属先は、配属先を検討する前に異動する候補者のリストを作ること(人材起点≒メンバーシップ型)。これに対して、適所適材は、配属先に対して、異動する人材を決めること(仕事(役割)起点≒ジョブ型)。

⑤人材ポートフォリオ:企業内の人材スキル、能力、経験などを一覧にまとめたもので、経営資源として管理・活用するもの

⑥タレントマネジメント:社員一人ひとりの才能や能力を把握(定量・定性データ)し、育成・配置を戦略的に管理することで、組織全体のパフォーマンスを最大化するマネジメント手法

⑦社内公募制度:社員が自ら志望したポストに応募して異動する制度cf.FA制度

 実務の基礎をサクッと押さえるには、基本概念と頻繁に出てくるキーワードを押さえることが大切です。日常業務をこなすことで手一杯な時こそ、こうした基礎を大切にしたいものです。

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経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において30年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)