2026年7月7日
ここ数年のBuzzワード「静かな退職」。ひとり人事的視点から解説致します。 ①静かな退職とは? 実際に会社を辞めずに、与えられた業務の範囲内で最低限の仕事だけを行い、心の中で職場との距離を取る働き方のことです。会社と個人のミスマッチの一種です。 ②発生原因パターン 1)そもそも入った会社を間違えたタイプ →入社時点でのミスマッチ 2)会社や仲間は好きなんだけど、担当する仕事(業務)が合わないタイプ →ジョブのミスマッチ 3)上司と考え方や価値観、判断基準が合わないタイプ →配属・配置のミスマッチ 4)頑張っても報われず、不毛な戦い(ブルシットジョブ、忖度、根回し)に疲弊するタイプ →評価と報酬のミスマッチ 5)家事・育児・介護との両立、プライベートの充実などWLB(ワークライフバランス)を 意識することで発生するタイプ →働き方(ワークスタイル)のミスマッチ Episode1: 毎日定時(残業せず)で退社。職場でも自分から積極的に周囲に声をかけたり、新しい業務にチャレンジすることもなく、ひたすら担当業務を効率的にこなしていくCさん。 Episode2: 半年前に人事異動してきたGさん。異動当初は、早く馴染もうと担当業務に邁進するだけでなく、人間関係構築にも積極的でした。部内の飲み会や行事にも参加していました。あるとき、業務分担を巡り、上司と対立。それ以来働き方を大きく変えてしまったようです。周囲から漏れ聞く話では、転職活動に精を出しているとのこと。 Episode3: 結婚し、そのまま働き続けていたYさん。出産し、育児休業を経て職場に復帰しました。復帰当初は、独身時代と同様バリバリ働いていましたが、娘の保育園入園を機に短時間勤務に変更。ワークライフバランスを重視した働き方に変えたようです。 管理職(マネジメント)の3カン(感・観・勘)力がポイント ●1つめの「感」は、周囲の雰囲気(変化)を感じる力のことです。職場の空気感を読む力──気圧配置といってもいいかもしれませんが、その空間に心地よさはあるのか、空気はよどんでいないか、同じ空間で同じ空気を吸う従業員はどんな表情なのか、明確に言葉として表現したり、共有しなくても、その真意を読み取る力を身につけることが目標です。 ●2つめは、「観」ることです。医者が診断・診察しているかのように組織のどこに課題や問題があるのか? 社員が抱えている不安の原因は何か? という具合に、ひたすら観て(観察して)ください。 ●3つめは、「勘」です。勘は直観やインスピレーションのことです。こういうと、当たるも八卦当たらぬも八卦の第六感を想像すると思いますが、私は勘に少し別のニュアンスを込めています。それは、「当たりをつける」というニュアンスです。 感と観と勘で3つのカンを働かせることで、組織や社員の表情、行動からは見えてこないもうひとつの実態が垣間見える瞬間があります。この瞬間が静かな退職の兆候(サイン)なのです。 (Amazon) https://amzn.asia/d/igD0yOB (楽天) https://books.rakuten.co.jp/rb/18221553/?scid=we_mail_item_share

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長
1996年早稲田大学卒 2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉 1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。 その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において30年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。 現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長 ■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 ■2級キャリアコンサルティング技能士 ■産業カウンセラー ■大学キャリアコンサルタント ■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)