2026年7月29日
「メトリクス」という言葉をご存知でしょうか?ギリシャ語の「metron(測る)」に由来した言葉で、英語では、「測定値・指標・尺度」を意味します。活動やシステムの状態を数値化して評価・管理する指標全般を指すこともあります。 ビジネス、特に人事マネジメントにおいては、採用、配置・異動、昇降格など適材適所を実現し、組織目標を達成するためには人事評価が一般的なマネジメントツールになっています。 人事評価では、「成果主義」という言葉を思い浮かべる方も多いと思います。仕事の成果を評価基準として昇進や昇給を決める人事評価制度の方針です。 成果主義的人事評価を標榜し、MBO(目標管理による業績評価)を導入している企業は、70%を超えています。制度導入が一般化していく一方で運用上の課題も多いのが実態です。 ところで皆さんはこんな経験をされたことはないでしょうか。 ■根拠が曖昧であったり、結論ありきの数字を会議やプレゼン資料に入れてしまう ■数値目標による評価結果に納得がいかず、やる気を失ってしまう ■数値目標を達成することが目的化し、顧客価値創造や自身の成長といった本質的成果に結びつかない 測ること(計測)ありきで、無理やりにでも数値化し評価する。本来測ることが難しい人間の行動や思いの部分にも適用しようとする。こうした過度なメトリクス信仰が組織の機能不全や人材の疲弊・劣化、最悪の場合組織不祥事にも繋がることがあります。 では、過度なメトリクス信仰から逃れるために私たちはどう考え、行動すべきなのでしょうか。次の3つの誤解に向き合うことから始めてみてはいかがでしょう。 1.専門家の判断よりも、標準化されたデータに基づく数値指標のほうが信頼できるという誤解 →専門家の有する知識や経験には、客観的データに基づいた内容に加え、豊富実践経験に基づいた暗黙知を上手に言語化(形式知化)した内容も含まれています。数値データの裏側に潜む真実(リアル)も含まれているのです。 2. 評価指標を公開すれば、制度の透明性が増し、説明責任(アカウンタビリティ)が果たされるという誤解 →評価指標を公開することは否定しません。ですが、その指標は本当に測りたい、測るべきものを測っているのでしょうか?会社の成長・発展や組織の目標達成に必要な要素を適切に測る指標になっているのでしょうか。 3. モチベーションアップとして、評価結果に基づいて賞罰を与えることが有効だという誤解 →当然ですが、人間は金銭的報酬(外発的動機づけ)のみで働くわけではありません。やりがい、良好な人間関係、職場環境など内発的動機づけもあってはじめて前向きに取り組むのです。 僭越ではございますが、私の著書(単著)昨年6/12(木)発売されました。 お手に取っていただけますと、嬉しいです。↓ (Amazon) https://amzn.asia/d/igD0yOB (楽天) https://books.rakuten.co.jp/rb/18221553/?scid=we_mail_item_share

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長
1996年早稲田大学卒 2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉 1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。 その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において30年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。 現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長 ■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 ■2級キャリアコンサルティング技能士 ■産業カウンセラー ■大学キャリアコンサルタント ■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)