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2020年2月18日

雇用統計の基礎的見方

人事部門であれば雇用者数、失業者数、失業率といった雇用関連のマクロデータは押さえておくべきです。

例えば、

◆2019年の日本の雇用者数は5,660万人、そのうち非正規が2,165万人【総務省統計局調べ・2019年】
総務省統計局は2月14日、「労働力調査(詳細集計)2019年(令和元年)平均(速報)」を発表した。2019年1月~12月期平均の「詳細集計」となる。

◆2019年の日本の雇用者数は5,660万人。正規・非正規ともに前年から増加している。
2019年平均の雇用者数は5,660万人(役員を除く)。そのうち正規の職員・従業員数は3,494万人で、前年から18万人増。非正規の職員・従業員数は2,165万人で、こちらは前年から45万人増となった。

◆非正規の職員・従業員を年齢階級別にみると,65歳以上は2019年平均で77.3%と、前年に比べ1.0ポイント上昇。15~24歳は50.9%ながら、こちらも0.7ポイントと上昇を見せた。

◆非正規の職員・従業員に、「現職の雇用形態についた主な理由」を聞くと、男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」がトップ。男性は187万人で、前年から16万人増、女性は438万人で、前年から11万人増だった。

◆「仕事につけない理由」を聞くと、「希望する種類・内容の仕事がない」とした者は47万人で、前年に比べ4万人の減少。「条件にこだわらないが仕事がない」とした者は9万人で、前年に比べ1万人の減少だった。

このようなデータやマスコミ報道や人事専門機関からの発表で目にする機会が多いかと思います。人事部門の皆さんは、こうしたマクロ数字を眺めて我が社の人事施策にどのように活かそうと考えていますか? 

雇用関連だけではなく他の経済指標でも同様ですがマクロデータを読み解くには一定のリテラシーが要求されます。いくつか基礎的なポイントを記載しておきます。

・定点観測には意味がありませn。時系列データでトレンド(推移)を読み解くことが重要です。

・数字を捉える際に、『数』と『率』の違いを理解して読み解くことが重要です。

・統計データの信憑性を判断する際には、分母、つまり母集団規模に注意して読み解くことが重要です。

いずれも基礎的なリテラシーであり、こうした統計データにミスリードされないためにも確実に身につけておきましょう。



経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)