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2021年2月2日

コロナ対策と日本人(日本型組織)についての雑感

 コロナ対策に迷走し、多くの国民に負担を強いている現在 。一体いつまでこうした状況が続くのか、何をどこまで気をつけたらよいのか・・・不安や苛立ちは募るばかりです。私たちはなぜこうした状況に陥ってしまうのかについて、少し冷静かつ俯瞰的に整理してみると、ある意味納得(宿痾かも知れません)できる部分もあるように感じます。
 社会心理学者我妻 洋氏によると、「日本人は相手の気持ちや立場や意見を忖度し、相手と自分とのかかわりあいという文脈(コンテクスト)の中で、自分の行動を規定する。その点で「他者指向的」、「集団同調的」である。だが、ここでいう他者や集団は、いうまでもなく、個人にとっていろいろな意味で重要な他者であり、個人が様々な仕方で帰属している集団である。他人なら誰でもよいというわけではない。むしろ、「赤の他人」に対しては、日本人は一般に無関心であり、冷淡であり、ときには敵対的でさえある。
 この指摘から見えてくる現実の光景、例えば「自粛警察」や「不織布マスク警察」、「Go to キャンペーン騒動」などはその象徴であるのかも知れません。このことは、コロナ禍で働き方の変化を迫られている多くの日本型組織においても同様です。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)