ISSUE & TOPICS

2021年2月3日

Buzz(バズ)Wordの安直な使用にご注意を!

 組織内では日々大小さまざまな課題が発生しては消え、また発生しては消えていきます。こうした場合、企業現場でよくある思考停止的buzzワードとして、「リーダーシップ」を持ち出すことが多いかと思います。
 組織行動論分野の著名研究者である、神戸大学の服部泰宏先生は、「物事の原因を安直に「リーダーシップのおかげ」とか「リーダーシップのせい」というふうに処理する傾向があるという指摘がある。こうしたことが、リーダーシップ研究の占有率を押し上げる方向に働いているのかもしれない。一方で、リーダーシップ研究では、リーダーが置かれた状況次第では、リーダーシップそのものが不要となることも指摘されている。たとえば、自律的で集団行動を好まない部下が存在するとき、上司によるリーダーシップ行動の効果は減衰(中和効果)するし、フォロワー(部下)の能力がきわめて高かったり、フォロワーの行動を適切に規定するルールや制度が集団内に存在したりするときには、上司によるリーダーシップはむしろ不要になるという(代替効果)。」
 リーダーシップという思考停止的buzzワード。アカデミック分野での課題がプラクティカル分野の課題でもあり、その意味では今後両者のブリッジ(架橋)が一層重要になるのかも知れません。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長 岡田英之

経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長

岡田英之

1996年早稲田大学卒
2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉
1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。
その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。
現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長
■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員
■2級キャリアコンサルティング技能士
■産業カウンセラー
■大学キャリアコンサルタント
■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)