2022年8月18日
昨今、自己啓発という言葉の負の側面が注目されています。 「自分こそが正しい」。こうした認識が人間の怒り、ひいては戦争を含む様々な問題を引き起こしてしまう。 「自分こそが正しい」という認識の根底にあるのは、人間の承認欲求でしょう。自分が他の人よりも正しいと認めてもらうためには、他者が間違っていることを証明しなければなりません。 しかし、こうした場合の証明は簡単ではなく、時に暴力につながることもあるかも知れません。現実の社会においては暴力を行使できないため、自分の正しさを証明するには、ビジネスやスポーツなどで富と名声を手に入れることで代用?するしかないという狭路。 ところが、成功できる人はとても限られています。エリートと称されるビジネスパーソンに象徴されるように、暗記力を前提とした受験勉強で自分の正しさを証明できた高学歴な人ほど、自己啓発にハマりやすい状況が生まれてしまったようです。この部分を捉えて、上手にビジネス化した会社も多かったことでしょう。 残念なことに、エリートと称された彼らの多くは現実の社会でなかなか成功できず、認知的不協和に陥り、暴走してしまう悲劇も散見されます。 令和時代、自己啓発という言葉には再考と再定義が必要なのかも知れません。
経営統括本部長・組織人事コンサルティング部長
1996年早稲田大学卒 2016年東京都立大学大学院 社会科学研究科博士前期課程修了〈経営学修士(MBA)〉 1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。 その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において20年間以上に亘り、人事及びコンサルティング業務に従事する。 現在、株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、グループ支援部長 ■日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 ■2級キャリアコンサルティング技能士 ■産業カウンセラー ■大学キャリアコンサルタント ■東京都立大学大学院(経営学修士MBA)